うさぎ好きのみなさん!
うさぎの病気について詳しくご存じでしょうか?
うさぎには「斜頸」と呼ばれる病気があります。
私たち飼い主はうさぎの病気を把握してあげる義務がありますよね。
そのためには、うさぎの病気や症状などについて知っておかなくてはなりません。
今回は、そんなうさぎの「斜頸」という病気について詳しくご紹介させていただきます。
うさぎの斜頸という病気の原因や症状、予防・治療方法について
では、うさぎの「斜頸」という病気についてみていきましょう。
うさぎの「斜頸」とは?
簡単に説明すると「頭が傾いてしまう症状」のことを斜頸といいます。
斜頸とはあくまでも症状であり、病気そのものではありません。
では、なぜこのような症状が起こるのでしょうか。
斜頸になる原因は?
斜頸になる原因はいくつもありますが、主に下記の病気などが原因だと言われています。
- 内耳炎
主にパスツレラ菌などの細菌の感染により、耳の奥にある平衡感覚をつかさどる三半規管に異常が起こり発症します。
- エンセファリトゾーン症
エンセファリトゾーンという寄生虫に感染し、脳の中枢神経系に異常が起こり発症します。
- 強い衝撃による外傷
落下や衝突などで頭や首にダメージを受けることで発症することがあります。
斜頸の他の症状
斜頸は首が傾いてしまう症状とお伝えしましたが、その他にも斜頸になったために起こる症状がいくつかあります。
- 眼振
目が左右あるいは上下に小刻みに動いている症状のことです。
- 平衡感覚障害
斜頸の延長線上でまっすぐ歩くことができず、歯車のように同じ方向に回り続ける症状のことです。
- ローリング
これも平衡感覚の障害によるもので、立てなくなりグルグルと横に回り続ける症状のことです。
斜頸の治療方法
斜頸の治療は基本的に投薬による治療が基本です。
斜頸の主な原因は寄生虫や細菌によるものが多く、基本的にはこの寄生虫や細菌などを駆除するために行います。
斜頸が完全に治るまで投薬を続けますが、この細菌はなかなか完全に駆除することが難しく、斜頸が治ってからもしばらくは投薬を続けることが一般的です。
斜頸の原因がエンセファリトゾーン症の場合には、ベンツイミダゾール系の駆虫薬を投与しますが、寄生虫の完全排除は無理だと言われており、長い間この病気と付き合っていかなければいけません。
この病気の特徴として再発率が高いのが特徴で、一度治ったからといって簡単に安心はできないということを覚えておきましょう。
斜頸の予防方法
斜頸の原因についてはご理解いただけたことと思います。
その中で、パスツレラ菌は飛沫感染(くしゃみなど)や、直接触れることによる接触感染、親うさぎがパスツレラ菌を持っていた場合には出産時に感染、授乳時に感染したり、交尾などでも感染します。
エンセファリトゾーンは経口感染、胎盤などからの親子感染があります。
もしパスツレラ菌、エンセファリトゾーンに感染しているうさぎがいる場合には、他のうさぎとの接触を防ぐ必要があり、生活空間を分けることが一番の予防となります。
ただ、パスツレラ菌はほとんどのうさぎが元々常在菌として体に持っており、これが加齢やストレスによる免疫低下により発症し、斜頸などの症状を引き起こします。
ですので、食生活の管理、ストレスのかからない環境をできるだけ作り、うさぎ自体の免疫を高めてあげることが非常に重要と言えます。
斜頸の症状との向き合い方
斜頸は非常に難しい症状で、私たち飼い主からしても簡単ではありません。
病院で治療を受ければ簡単に治る病気と違い、再発率も高く非常に難しいです。
原因が治ったとしても首の傾きはそのままだったり、軽い後遺症が残ったりすることもあります。
首の傾きが完全になおらなくても平衡感覚が治ってしまえばうさぎはその首の傾きに次第と慣れて普通に生活を送れるようにもなってきます。
症状が出ている間に気を付けることがあります。
斜頸の症状が出ている間は平衡感覚が失われていることがほとんどのため、壁や物にぶつかったり、ローリングにより体をうってしまったりすることがあるため、ケージの中にはタオルなどを敷いたり、木製のハウスは外したりとうさぎがケガをしないような工夫をしてあげる必要があります。
また、ローリングがひどい場合にはケージに物を入れてケージの大きさを小さくしたり、場合によってはキャリーケースに移すなどしてうさぎが転がり過ぎて他の部分を傷めないための工夫をしてあげる必要があります。
よくあるのがローリングにより目をぶつけてしまい、目の病気にかかってしまううさぎが非常に多いです。
場合によっては、目の保護用の薬も処方していただけると思いますが、私たち飼い主もうさぎのために生活空間を考えてあげる必要があります。
まとめ:うさぎの斜頸という病気の原因や症状、予防・治療方法について
どうでしたでしょうか。
斜頸という症状について理解していただけましたか?
斜頸はうさぎの他の病気と違い、予防というのが少し難しい病気で、他の病気のようにこれに気をつけていればほぼならない!というような病気ではないという点も覚えておきましょう。
なってしまった場合には仕方のないものだと受け入れ、家族であるうさぎに寄り添ってあげることが重要です。